2023年1月24日(火)
5月の大空に悠々と泳ぐこいのぼり。その文化は江戸時代から続いているのだとか。端午の節句に向け、こいのぼり作りのピークを迎えている四国中央市のメーカーに伺いました。

四国中央市に本社を置く「人形と鯉のぼりの村上」。5月の端午の節句を前に、こいのぼりの製造作業がピークを迎えています。妻鳥町にある工場に伺うと、生地の裁断や縫製などを手際よく行う職人たちの姿がありました。コスモスタイムでは紹介しきれなかった製造の流れや、丁寧な作業の様子などを詳しくご紹介します。

目次

子どもたちの健やかな成長を願う「端午の節句」。男児のいる家庭では五月人形をかざり、庭先にこいのぼりを揚げます。青空にのびのびと泳ぐ様子を目にすると、ゴールデンウィークの到来を感じますね。
こいのぼりの歴史は古く、江戸時代に武家を中心に広まった風習が始まりなのだとか。当時は黒いこいのぼり(真鯉)のみで飾られ、素材は和紙で出来ていたそうです。

昭和21年に創業した「人形と鯉のぼりの村上(株式会社村上鯉幟商会)」も、和紙のこいのぼりの製造・販売から始まりました。昭和40年に布製に移行、昭和44年にはナイロン製のこいのぼりの製造がスタートし、現在はポリエステル製・ナイロン製のものが作られています。

販売しているこいのぼりは約30種類。屋内用は長さ36cm~、屋外用は0.6m~10mのものまでとニーズに合わせて様々なサイズを販売しています。妻鳥町の工場で製造されたこいのぼりは全国各地に出荷され、こどもたちの成長を見守っています。


こいのぼりの生地は「着物のまち」として知られる新潟県十日町で刷られ、妻鳥町の工場に運ばれます。1枚の長い布がロール状になって届くので、まずは1匹ずつのサイズにカットします。そして裏表の布を1セットにして次々と重ね、十数匹分の生地をこいのぼりの形に裁断していきます。この日は16匹分、32枚の生地を一気にカットしました。

手際よく裁断機でカットしていく加藤彩加さんは、この道15年。入った当初は、ロールから1匹ずつ切り分ける作業を数年担当しながら、先輩の指導のもとで技術を身に付けました。裁断の難所は尾のカーブ部分。小さいサイズの方が、カーブが強いので難しいそうです。


さて突然ですが、ここでクイズです!下の写真をご覧ください。
赤い鯉と黒い鯉、色やデザインだけでなく「あるもの」が異なるこいのぼりなのですが、一体なにが違うのでしょうか?

正解は・・・ 素材!
赤い鯉がポリエステル、黒い鯉がナイロンの生地で出来たこいのぼりなんです。見た目には区別がつきませんが、生地が異なるのには「ある」理由がありました。
特徴(ナイロンの生地)

青空にたなびくと美しく輝く、金色の模様。黒い鯉にあるうろこの金色部分は、実はひとつずつ手作業で刷っています。作業を担当しているのは、工場長の西山奉文さん。金の模様をよく見てみると、縁起の良い動物として知られる鶴が羽を広げた姿になっています。工場では「金刷り・金付け」と呼ばれるこの作業。ナイロン製の3m以上のこいのぼりは、こうして手作業で刷られています。
「機械刷りでは再現できない、手刷りならではの美しい発色が魅力」なのだと、西山さんは話します。

特徴(ポリエステルの生地)
一方、ポリエステル製のこいのぼりは金色の部分も機械で刷っています。赤い鯉を見てみると、細かい飛沫のようなデザインが金色で仕上がっています。手作業では難しい柄が実現できるのは、機械刷りならではの良さですね。

機械刷りには熱を加える作業が多く、金色の模様を付ける際にも熱が加えられるため、こちらの生地にはより耐熱性の高いポリエステルが使用されています。
伝統的な手刷りとデザイン豊富な機械刷り、どちらも魅力的ですね。こいのぼりを選ぶ際には、ポイントのひとつにしてみてください。

裁断が終わった生地はミシンで縫製を行います。これまでは外注していた縫製作業ですが、2022年からは自社で行うようになりました。この日は職人3名が様々なサイズのこいのぼりを縫い合わせていました。


縫製が終わったこいのぼりは、ポールに付ける紐を通せるように穴を空け、補強のためハトメという金具を付けます。そして袋詰めすれば、完成です。
村上鯉幟商会では、2月上旬に出荷を予定しており、約1万セットを予定しています。製造するこいのぼりは、なんと4万匹!今が最盛期ですが、製造自体は1年を通して行われています。
ちなみに、3月から4月にかけては、受注生産の吹流し(ふきながし)の制作に取り掛かるとのこと。吹流しには、オリジナルで名前や家紋が入れられるそうですよ。
3代続く村上鯉幟商会の代表取締役、村上将士さん。近年のコロナ禍により親族が集まる機会が減少し、物価高の影響でインクや生地などの材料費が高騰するなど、こいのぼり製造・販売にも影響が出ているといいます。そんな中だからこそ、改めてこいのぼりに対する思いを伺いました。

「こいのぼりを見るときには、空を仰ぎますよね。空の広さと、こいのぼりが泳ぐ勇壮な姿に心を育み、家族みんなで楽しんでもらいたいです。また、こいのぼりには家族が出来た喜びを増幅させる意味合いも含まれているので、それが叶うような商品を作り続けてこの文化を伝えていきたいです。」
依然、感染症は収束する気配を見せませんが、徐々に規制の緩和が行われ、日常が戻りつつあります。今年のGWは、家族や親族みんなでこいのぼりを見上げて、子どもたちの健やかな成長を願いたいですね。
Information

[住所]
〒799-0113四国中央市妻鳥町新浜162-1(国道11号沿)
TEL:0896-72-8211
[ 営業時間 ]
9:30~18:00(1月3日~4月30日)
9:30~17:00(5月1日~12月末)
コスモスタイムニュース「村上鯉幟商会 こいのぼり製造ピークを迎える」もぜひチェックしてみてください!
1月19日放送「村上鯉幟商会 こいのぼり製造ピークを迎える」
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筆:四国中央テレビ 岡部桃子

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