2023年5月2日(火)
尾藤二洲・真鍋豊平ってどんな人?小学生が自分たちの足で訪ねて、調べて、レポートを制作!特別賞を受賞した大人顔負けの力作の見どころを紹介します。【6/9 追記あり】
小中学生が夏休み期間に「ふるさと愛媛に縁のある人物」について調べ、画用紙などにまとめる「小・中学生のふるさと学習作品展」(県教育委員会主催)。その中で、四国中央市の先人を調べ、優秀作品に選ばれた市内小学生3名のレポートが暁雨館で展示されています。
史跡を訪ね、学芸員や地域の人に話を聞き、小学生の等身大の言葉で書かれた展示は、歴史好きの大人も感心するほどの力作ぞろい。中には画用紙78枚にも及ぶ、読み応えたっぷりの展示も。
この週末は暁雨館に出かけてみませんか?
目次
・こども学芸員ミニ企画展「わたしが見た宇摩の先人たち」とは?
・「だれ?」「なに?」を丁寧に調べ上げ優秀賞 加地菜知子さん(中曽根小5年)
・食品トレーやティッシュ箱で一弦琴を自作!清水遥仁さん(土居小3年)
・20以上のゆかりの地・10人以上の関係者まで調査!3年連続受賞の清水愛莉さん(土居小5年)
・子どもたちの「知りたい」を支える暁雨館
・オンエア情報
・ミニ企画展その後【6/9 追記】
4月11日から始まった、こども学芸員ミニ企画展「わたしが見た宇摩の先人たち」は、昨年に引き続き2回目の開催。「子どもたちの大人顔負けの研究成果を、ぜひ地域の人にも見てもらいたい」との思いから暁雨館が開いています。
県教育委員会が行っている「小・中学生のふるさと学習作品展」には、昨年度、二宮忠八や大江健三郎、鍵谷カナといった県内の偉人たちや、自分の身近で活躍している人を調べた作品など、合計227点の応募がありました。その中で、尾藤二洲や安藤正楽といった市内の先人についてまとめた受賞作品は6点。うち3点は市外の生徒の作品だったため、暁雨館の企画展では市内在住の児童3名の制作が展示されています。
展示を制作したのは、尾藤二洲を研究し優秀賞を受賞した加地菜知子さん(中曽根小5年)、同じく二洲を調べ愛媛県教育研究協議会長賞を受賞した清水愛莉さん(土居小学校5年)、そして愛莉さんの弟で、真鍋豊平を研究し愛媛新聞社長賞を受賞した清水遥仁さん(土居小学校3年)です。
会場の壁には、3名が手書きで丁寧にまとめたレポート140枚がずらり。また、尾藤二洲の紹介映像コーナーや、真鍋豊平が広めたとされる一弦琴の体験コーナーもあり、見て、触って、より展示への理解を深めることが出来ます。
「初めて応募したので、受賞を先生から聞いてびっくりしました」と話すのは、中曽根小学校5年生の加地菜知子さん。図書館で「まんが愛媛の歴史」を読んだことがきっかけで、尾藤二洲に興味を持ったといいます。
調べるうちに、時々訪れていた歴史考古博物館の銅像の人物が尾藤二洲だと知り、一気に身近に感じたという加地さん。歴史考古博物館や暁雨館に足を運んで、資料を見たり、学芸員に質問をしたりしながら研究を進め、2週間ほどで制作したそうです。
加地さん「塾を開いて、昌平校で先生をして…生涯ずっと勉強していることを知り、すごいと思いました」
暁雨館の三宅館長が感心したのは、「自分が分かっていること・分からないことを年表の中でまとめ、課題をはっきりさせている」こと。「朱子学」、「素餐録(そさんろく)」、「正学指掌(せいがくししょう)」など、大人でも説明が難しい用語をしっかりと調べて理解し、自分の言葉にしてまとめているところが高い評価につながったのかもしれません。
調べたり話を聞いたりすることが楽しかったという加地さん。既に今年の夏休みの研究対象が決まっているそうで、「今年の夏休みは紙産業に携わった人物を調べたい」と目を輝かせていました。
一弦琴中興の祖、真鍋豊平を調べたのは、土居小学校3年生の清水遥仁さん。暁雨館の近くに住んでおり、よく通っていた中で、常設展示されている一弦琴に興味を持ち研究を進めました。
関川公民館を訪れ、一弦琴や真鍋豊平直筆の掛け軸を見学したり、生家である千足神社で当時に思いをはせたりと、夏休み期間中にゆかりの地を巡った遥仁さん。真鍋豊平の墓に行った際には、暁雨館の学芸員が同行して説明をしてくれたそうです。
遥仁さん「海から流れてきたような木に糸を張り、楽器になるなんて驚きました」
展示では、遥仁さんの素直な驚きと感想、現地を訪れ発見したことなどが、多くの写真とともにまとめられており、まるで一緒に見学をしているかのような臨場感があります。
一弦琴、そして豊平への理解を深めた遥仁さんは、なんと研究の最後にオリジナルの一弦琴を制作!食品トレー、ティッシュボックスという身近な材料で作ってみたり、木の板と押しピンを使って本格的に再現してみたりと、合わせて3種類を自作しました。(このことを知った関川公民館からは、ぜひ公民館報で紹介したいと連絡があったそうです。)
遥仁さんは今回の研究を振り返って、「いろんな人を喜ばせた人なんだと思いました。僕も誰かを幸せにできる人になりたいです」とにっこり。52枚に及ぶ熱心な活動の成果を、ぜひ暁雨館でご覧ください。
最後に紹介するのは、愛媛県教育研究協議会長賞を受賞し、尾藤二洲について調べた清水愛莉さんの作品。その数なんと78枚!展示室に入って、まず目に入るずらりと並んだ展示は、すべて愛莉さんのものです。
遥仁さんの姉で、姉弟そろっての受賞となった愛莉さん。過去にもこの作品展で優秀な成績を収めており、3年連続で特別賞を受賞しています。
愛莉さんは暁雨館に設置している「ニ洲先生のアドバイスみくじ」を引いたことがきっかけで、おみくじのもとになった「座右十戒(ざゆうじゅっかい)」に興味をもち研究を進めていきました。
座右十戒…「寛政の三博士」尾藤二洲がまとめた、人として常に心掛けておくべき10の教訓
暁雨館や紙のまち資料館で知識を深め、川之江を中心に二洲にゆかりのある場所がたくさんあることを知った愛莉さん。記念碑など20か所以上の場所を訪れたそうです。「200年以上も前の人のために碑を建てるなど、みんなが二洲さんの教えを守ったり、受け継いでいることが分かりました」。
また、二洲の師や教え子など、関係者10人以上についても研究を進め、四国中央市に残る墓や塾の跡地などを見学。山の中を歩き回って探したり、地元の人に尋ねたりと、夏休み期間中に様々な出会いがあったそうです。
作品の中では、そうした出会いの中で聞いた話や気づいたことなどを丁寧にまとめており、愛莉さんならではの活き活きとした資料に仕上がっています。
愛莉さん「この研究を始めて、これは何の碑だろう?と興味を持つことが増えました。地域の先人たちの思いや考えを受け継いでいきたいです」。
今回受賞した3名の研究を支えたのが、暁雨館や紙のまち資料館、歴史考古博物館などの地域の資料館です。作品展示を企画した暁雨館の三宅館長に話を伺いました。
三宅館長「地域の先人や歴史を伝えていくのが資料館の役割だと思っています。子どもたちが興味をもって調べてくれて、その手段として暁雨館を訪問してくれることはとても嬉しいです」。
資料館はどちらかというと大人向けのイメージがありますが、暁雨館では、先人の似顔絵を飾ったり、ふりがなつきで解説したりと子どもたちでも調べやすいよう工夫がされています。「二洲先生のアドバイスみくじ」や、缶バッヂ作りコーナーなど、楽しく過ごせるアイデアも満載です。
また、学芸員も子どもたちの目線に立って、分かりやすく事実を伝えることを意識して対応しているそうです。
三宅館長「『偉い人なんだよ』『すごい人だよ』という風に伝えるのではなく、その人物が行った事実をしっかり伝えることを心掛けたい。子どもたちが、それぞれ感じた気持ち・考えを大切にしたいと思っています。今年の夏休みの研究には、ぜひ気軽に暁雨館を活用してくださいね」。
※学芸員が休みの場合がありますので、尋ねたいことがある人はまずはお電話ください。
今回のミニ企画展は、5月28日(日)まで開催中です。
暁雨館(ぎょううかん)
【アクセス】〒799-0712 愛媛県四国中央市土居町入野178-1
【電話番号】 0896-28-6325
【開館時間】 9:00~17:00
【休館日】毎週月曜日・祝日の翌日(祝日の翌日が土曜日・日曜日・祝日の場合は開館します)・年末年始(12月29日〜翌年1月3日)
【入館料】無料
【公式HP】 https://www.kaminomachi.or.jp/facility/gyou/
コスモスタイムニュース「こども学芸員ミニ企画展『わたしが見た宇摩の先人たち』」もぜひチェックしてみてください!
記事を読む▶取材ブログ
動画を観る▶コスモスコレクション(当社インターネットご加入者様限定)
また、展示の見どころを三宅館長が解説する番組「ようこそ!COSMOS美術館へ」は5月下旬頃放送予定です!こちらもぜひご覧ください。
≪6月9日追記≫
展示を見に行けなかった方に朗報!
ミニ企画展が好評だったため、期間終了後も暁雨館の玄関にて作品が展示されることになりました。
夏休みの宿題の参考にしてみてくださいね。
筆:四国中央テレビ 岡部桃子
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