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シール集めて目指せ100冊!「読書マラソン」に小学生が夢中《四国中央市内の各図書館で開催中》

2023年7月18日(火)

夏休みは図書館に行こう!2020年から市内で始まった「読書マラソン」に、いま多くの小学生が夢中になっています。その裏側には、積極的な声掛けや、子ども目線での工夫など、図書館職員の熱心な取り組みがありました。今読んでほしい「職員おすすめの1冊」や番組出演者の募集も掲載しています。

 

 子どもたちが本に触れるきっかけを増やしたい——。2020年から市内の各図書館で始まった「読書マラソン」が、今年も6月からスタートしました。小学生が対象のこのイベントは、読破した冊数に応じてシールやプレゼントがもらえることから、低学年の子どもたちを中心に人気があります。昨年は、参加者の20%以上が100冊を読破したという実績も。
 多くの小学生が夢中になるその裏側には、積極的な声掛けや、子ども目線での工夫など、図書館職員の熱心な取り組みがありました。知ればきっと図書館に行きたくなる!今読んでほしい、職員おすすめの1冊も必見です。

市内各図書館の職員のみなさん

目次

 ・図書館以外の本を読んでもOK!? 「読書マラソン」とは
 ・驚き!昨年の最多読破数は○○○○冊
 ・目標はキラキラシール☆
  子どもの意欲を上げる取り組み
 ・わたしのイチオシ本!職員が紹介
     幼児~小学校低学年向け
     小学校中~高学年向け
     中・高校生向け
     保護者向け
 ・夏休みに行ってみよう!各館イベント情報
 ・おすすめの本をコスモスタイムで紹介しませんか?出演者募集中

図書館以外の本を読んでもOK!? 「読書マラソン」とは

川之江図書館2階 子どもの図書スペース

 今回、取材のためお邪魔したのは川之江図書館。2階部分すべてが子ども向けの書籍コーナーとなっており、絵本や図鑑、児童書などがずらりと並んでいます。
 今回は各図書館の職員のみなさんに集まっていただき、読書マラソンについて伺いました。

川之江図書館の読書マラソンコーナー(左:原田尋館長)

 今回で4回目の開催となる読書マラソンは、「子どもたちがワクワクしながら読書に親しめるように」との思いから2020年に始まりました。
 参加方法は簡単。市内の各図書館の窓口などで職員に声をかけ、専用の読書通帳をもらったら読書マラソンスタートです。読み終わった本を読書通帳に記録し、5冊分記入ができると最初のご褒美、シールがもらえます。その後も、10冊、15冊、20冊…と一定の冊数を読破するとそのたびにシールがもらえるという仕組み。各図書館に飾ってあるボードには、参加者それぞれが現在どの冊数レベルにいるかが一目で分かるようになっています。本来、読書は自分のペースで行うものですが、他の参加者の進み具合を視覚化することで、子どもたちが自ら「もっと読みたい!」と読書に意欲的になるような工夫がされています。

始まって1か月で60冊読んでいる参加者も!

 ちなみに読書通帳に記入する本は、図書館で借りた本に限らず、家にある本や書店で購入した本、電子書籍もOK。なんとコミックでもカウントしていいそうです。
「できるだけ多くの子どもたちが気軽にチャレンジできるように、間口は広く、ハードルは低く設定しています。長く続けてほしいですからね。」
 そう話すのは、川之江図書館の原田館長。「大人になったときに、ふと小学生時代の楽しい読書を思い出して、再び本に触れることがあれば嬉しい。読書に興味をもつ入り口として、本を通してワクワクした気持ちを感じてもらえたら。」と話しています。

読書マラソン用の読書通帳

 期間は、毎年6月頃~年度末までと長く、今年は6月1日から来年の3月30日まで。読書マラソンという取り組みは他の地域でも行われていますが、市内の全図書館で一斉に、しかも長期間にわたって行われるのは大きな特徴だといいます。

驚き!昨年の最多読破数は○○○○冊

 昨年、読書マラソンに参加した小学生は471名。そのうち105名は100冊読破を達成し、その達成率は22.3%に上ります。

「とびぬけて多く読んだ子がいて、その子の記録は1400冊でした」

 職員の皆さんも驚く読書量。もちろん最多記録です。
 期間中は、何度でもチャレンジできる読書マラソン。本を読んでいるときの感情や、覚えた知識、印象に残ったフレーズは、自分だけの宝物です。今年も多くの子どもたちが、たくさんの素敵な本と出会えますように。

目標はキラキラシール☆子どもの意欲を上げる取り組み

 読書マラソンを企画するNPO法人 紙のまち図書館では、1人でも多くの子どもたちに参加してもらえるよう、毎年、試行錯誤を重ねているそうです。

子どもたちが楽しみにしているプレゼント(一例)

 「読めたという達成感をより多くの参加者に味わってほしい」と、今年はシールをもらえる冊数を5冊からに変更。また50冊を読破した際には、折り返し地点到達のご褒美として大きなキラキラシールをプレゼントすることに決めました。
 「去年までは50冊記念で賞状を贈っていたんですが、子どもたちがシールをもらった時の嬉しそうな反応を見て、今年は特別感のあるシールでお祝いしようと。飽きのこない工夫を心掛けています」
 キャラクターものなど、職員が用意したデザイン豊富なシールは子どもたちの大きな目標になっているそう。また、100冊を達成した際には文房具セットなどのプレゼントが待っているため、子どもたちのモチベーションも高いといいます。
 中には、小学生が挑戦している姿を幼稚園の子どもたちが見て、早くも参加を意気込んでいるというエピソードも。小学生になってチャレンジしてくれるのが楽しみです、と職員からは笑顔がこぼれていました。

子どもならではの感想を絵や文で表現

 子どもたちの読書を促す工夫は他にもあります。希望者に本の感想や面白さを伝えるPOPを書いてもらい、それを本に貼って貸し出す取り組みです。子どもの素直な気持ちが書かれたPOPは、同じ年齢層の子どもたちを中心に、新たな読者を増やすきっかけにもつながっています。

 こうした子どもたちへのアプローチは、「本を好きになってほしい」「読書を楽しんでほしい」という図書館職員の思いから生まれています。館内には、季節ごとの装飾や各種イベント、おすすめ本の展示など、各館の職員がアイデアを寄せ合ってつくっているものばかり。図書館を訪れる子どもたちや保護者の方が笑顔で過ごせるように、工夫は続いていきます。

わたしのイチオシ本!職員が紹介(学年別に紹介・保護者向けも)

 図書館で迷ったら、この1冊を読んでみて!職員のみなさんにイチオシの本を伺いました。

幼児~小学校低学年向けの1冊

 「どしゃぶり」 (講談社)
  文: おーなり 由子 絵: はた こうしろう

「夏の暑い日、カラカラに乾いた地面に、急に雨が降ってきた!雨の音や匂いまで感じられる絵本です。最近急な雨も多いので、そんなときも楽しめる1冊だと思います」(おやこ図書館職員 石川さん)

おやこ図書館職員 石川さん

小学校中~高学年向けの1冊

「ニッキーとヴィエラ ホロコーストの静かな英雄と救われた少女」(BL出版)
  作: ピーター・シス 訳: 福本 友美子

「戦争を報じるニュースが流れるいま、改めて戦争について考えてもらいたいと選びました。第二次世界大戦中、ナチス・ドイツの侵攻が迫る中で多くの子どもたちを救った「静かな英雄」と呼ばれる人物の、史実をもとにした物語です。絵本なので読みやすいですが、攻め込まれる恐ろしさ、家族と離れてしまう悲しさが伝わってきます。主人公が小学生くらいの女の子なので、戦争って怖い、ということを改めて自分事として感じてもらいたいです」(川之江図書館職員 井原さん)

川之江図書館職員 井原さん

中・高校生向けの1冊

「13歳から分かる!7つの習慣―自分を変えるレッスン」(日本図書センター)
  監修:「7つの習慣」編集部 イラスト:大西 洋

「世界的なベストセラー本を中高生向けに分かりやすくした1冊です。ある青年と老人が出会い、7つの習慣を身につけて青年が成長していくというストーリー。勉強のこと、将来のことで悩んでいる若い世代の人に役立つと思います。例えば「ゴールを決めて取り掛かる」とか…、私も当時この本と出会っていたらよかったなぁと思うので、ぜひオススメしたいです」(川之江図書館職員 藤田さん)

川之江図書館職員 藤田さん

保護者向けの1冊

「ぼく モグラ キツネ 馬」(飛鳥新社)
  著:チャーリー・マッケジー 訳:川村元気

「生きるヒントがたくさん詰まっていて、読んでいて気持ちがあたたかくなる本です。男の子が動物に質問をしていくんですが、その回答の言葉がどれも肯定的で、前向きな気分にさせてくれます。日々を過ごしていると疲れたりイライラしたりすることもありますが、ポジティブな考え方って大事だなと気付かせてくれます。『優しくされるのを待つんじゃなくて、自分に優しくなればいいのさ』というモグラの一言が印象的です。イラストもとても素敵なので、ぜひ読んでみてくださいね」(土居図書館職員 宮内さん)

土居図書館職員 宮内さん

夏休みに行ってみよう!各館イベント情報

 これから始まる夏休み!図書館では小学生を中心とした夏のイベントが目白押しです。ぜひ遊びに行ってみてくださいね。

※タイトルをタップすると詳細ページに移動します

7月7日~7月30日 三島図書館
「三木謙次 本の原画展示 質問大募集!」

7月26日(水)14時~ おやこ図書館
「シャフィナズさんとキッズイングリッシュ」

7月29日(土)10時~ 川之江図書館
「あけてびっくり!紙そめマジック!」(図工)

8月3日(木)10時~ 川之江図書館
「生き物が教えてくれること」(理科)

8月6日(日)10時~ 土居図書館
「おはなしドーナツの『夏の特別おはなし会』」

8月6日(日)10時~ 川之江図書館
「つながるひろがる手話講座」

9月1日(金)9時~ 三島図書館
四国中央市出身のイラストレーター「三木謙次・本の原画展示」

 

おすすめの本をコスモスタイムで紹介しませんか?出演者募集中

 読書マラソンで読んだ本を、TVでおすすめしてみませんか?コスモスタイムでおすすめの本を紹介してくれる小学生の皆さんを現在募集しています。収録日は8月中を予定しています。くわしくは川之江図書館までお問合せ下さい。

2022年の番組の様子

筆:四国中央テレビ 岡部桃子

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