紙産業技術センター 研究成果展示発表会&普及講習会
2023-06-01
愛媛県産業技術研究所 紙産業技術センターで6月1日、紙産業に関わる昨年度の研究成果展示発表会と普及講習会がありました。
毎年この時期に紙産業技術センターが開いているもので、今年は、水をはじく性質を持つナノファイバー不織布に表面加工を施し、親水性を持たせたものや、セルロースナノファイバーを活用した、抗菌性を持つ段ボールの開発など、14課題の成果を紹介していました。
その後、施設見学会も開かれ、参加者約20人が不織布製造装置や、紙の分析や加工ができる研究室などを見て回りました。
また、講習会もあり、紙産業技術センターの研究員2人が研究成果を発表しました。
藤本研究員は、トイレットペーパーの新商品開発を想定し、紙と微細繊維であるセルロース凝集体をまぜることで柔らかさと強度を向上させるといった取り組みを紹介しました。
渡邊主任研究員は、製紙工程でできる産業廃棄物「ペーパースラッジ」には炭酸カルシウムが多く含まれており、塩酸処理により廃棄物の量を減らせるとし、実験データを紹介しながら、廃棄物の焼却コスト削減の可能性を示しました。
来場者は、用途展開が期待できる最新の研究成果などを聞きながら紙についての理解を深めていました。
放送:野村