軽快な音楽に合わせ、ステップを踏んで美しく技を披露する競技スポーツ、エアロビック。四国中央市のエリエールスポーツクラブには、未就学児から中学生までが所属する「ジュニア・エアロビック」の教室があります。ここで日々練習を重ねる生徒の中から、7名の選手が1月末に行われた全国大会に出場しました。
エアロビックの大会とはどんな内容なのでしょうか?本番を間近に控えた真剣な練習の様子とともにご紹介します。
目次
- エアロビックとは?エアロビクスとはどう違う?
- 四国中央市とエアロビック
- いざ全国大会へ!大会2日前の練習に密着
- 選手にインタビュー【岡田さん&森田姉妹】
- 大会本番!塩入コーチがレポート
- 教室紹介
- オンエア情報
エアロビックとは?エアロビクスとはどう違う?
「エアロビ」と聞くと、まずカラフルなレオタードにレッグウォーマーを想像する人は多いのではないでしょうか?1981年に日本に上陸し、一大ブームが起きたエアロビクス。1967年(昭和42年)にアメリカのケネス・H・クーパー博士により提唱された運動処方理論が起源と言われています。ダンス形式のエクササイズとして、リズムに合わせて子どもから高齢者まで楽しく体を動かすことができることから、多くの人に親しまれてきました。
その「エアロビクス」が競技スポーツとして発展したのが「エアロビック」です。日本では「スズキジャパンカップ」や「JOCジュニアオリンピックカップ」などの大会があり、全国から集まった選手たちが技の美しさを競います。
四国中央市とエアロビック
そんなエアロビックは、四国中央市とも縁が…。2017年に開催された愛媛国体では、デモンストレーション競技の「エアロビック」の競技会が四国中央市の伊予三島運動公園体育館で開催されました。
競技会には、5部門にのべ452名が出場。誰でも参加できる部門には、幅広い年齢の人が参加し、笑顔でのびのびとスポーツの秋を楽しみました。また、この大会の開催地となったことで、市内ではエアロビックのイベントが開かれ、公民館のサークルなどがチームを立ち上げるなど、交流人数を増やす取り組みも行われました。
いざ全国大会へ!大会2日前の練習に密着
今回は6名の選手が「第13回全国ユースフライト・エアロビック選手権大会」へ、1名が「第18回JOCジュニアオリンピックカップ 全国エアロビック選手権大会㏌袋井2023」に出場します。
ここ数年はコロナ禍により、全国大会もビデオ審査になるなど、大きな舞台での演技披露がなかったそう。今回は多くの選手が集まる久々の大会ということで、選手たちにも気合が入ります。スタッフが取材したのは大会のなんと2日前。緊張感のある雰囲気の中で始まった練習の様子をお伝えします。
ウォーミングアップ
まずはランニングで準備運動。教室の大きな鏡で姿をチェックしたり、リズムに合わせてテンポよく縄跳びをしたりして、しっかりと調子を整えていきます。その後、美しいポーズを保てるよう体幹トレーニングや柔軟運動をし、30分ほどかけて体づくりを行います。
基礎トレーニング
音楽に合わせ、エアロビックの技や基本のステップなどを反復練習していきます。審査では、技の美しさはもちろん表現力なども基準の一つとなっており、選手たちはにこやかな表情も意識しながら取り組んでいました。
競技本番に向けて(JOCジュニアオリンピックカップ)
いよいよ、数日後に控えた大会の練習です。まずは「第18回JOCジュニアオリンピックカップ 全国エアロビック選手権大会㏌袋井2023」に出場する岡田愛夏さん(上分小学校5年生)が演技を披露しました。
年中児のときにエリエールスポーツクラブでエアロビックを始めたという岡田さん。その上達ぶりから、より高いレベルの環境で練習できるようにと小学3年生からは週末に岡山のOSKスポーツクラブにも通い、練習を重ねています。
今回の大会には、OSKスポーツクラブの選手2名と一緒に「トリオ」という部門で出場。1分20秒の競技時間に、「AMP(エアロビック動作パターン)」と呼ばれる技を連続して行う採点種目です。岡田さんは昨年のこの大会で全国2位を受賞。さらなる高みを目指し、ひとつひとつのジャンプやポーズをしっかりと確認していました。
競技本番に向けて(ユースフライト・エアロビック選手権大会)
続いて、「第13回全国ユースフライト・エアロビック選手権大会」に出場する選手たちが本番さながらの練習を行いました。出場するのは、森田結捺さん(川之江北中学校2年)・竹本彩乃さん(川之江北中学校1年)・森田捺珠さん(川之江小学校6年)・高橋姫依さん(松柏小学校6年)・矢野有花さん(川之江小学校6年)・守屋美飛さん(妻鳥小学校3年)です。
6名の選手はこの大会の「ユースB」に出場。30分間という長い競技時間の中で連続的に技を披露するため、かなりのスタミナが求められる競技です。そのなかで全身を使った表現力や技術を審査されるので、ウォーミングアップでの筋トレや縄跳びなどの運動がここに活きてきます。
全国レベル選手を指導 塩入久恵コーチ
生徒たちを指導するのは、エアロビックの指導歴約33年の塩入久恵コーチ。大学卒業後に務めたスポーツクラブでエアロビックのインストラクターになったのがきっかけで、その後、フリーに転身。エリエールスポーツクラブでの指導は長く、これまでも多くの生徒を全国大会へと導いており、現在は愛媛県エアロビック連盟の代表理事も務めています。
エアロビックは表現するスポーツですが、体力面だけでなく「一生懸命さ」や「感謝する」といった精神面も大切なのだと、塩入さんは話します。
「保護者の皆さんが応援してくれて、今の自分があるんだよ、ということを常に話しています。」
塩入コーチ「感染症の影響で練習が中止になったり学校関係の都合で制約もあったりする中でも、生徒たちは自主練習を欠かさず行ってきました。長い期間、基礎からしっかりと練習を積み重ねてきた子たちなので、本番では一生懸命頑張ってほしいです。」
選手にインタビュー!岡田さん&森田姉妹
選手のみなさんに、間近に迫った大会への意気込みや、エアロビックの楽しさ・始めたきっかけなどを聞いてみました。
※選手7名全員のインタビューは四国中央テレビの番組「コスモスタイム」で放送しました。
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【JOC出場・岡田愛夏さん】
Q.エアロビックの楽しいところは?
音楽に合わせて、軽快なステップで踊るところです。
Q.得意な技はありますか?
Lサポートの1回転です。
Q.大会ではどんなことを意識して頑張りたいですか?
今シーズン最後の演技なので、全力で楽しんでみんなに感動を与える演技をしたいです。
【ユースフライト出場・森田結捺さん捺珠さん姉妹】
Q.いつから教室に通い始めたんですか?
結捺さん)お母さんに教えてもらって、2人で同時に入りました。小学校3年生から始めました。
捺珠さん)私は小学校1年生からです。
Q.塩入コーチはどんな先生ですか?
結捺さん)やさしいし、とても分かりやすく教えてくれます。
Q.エアロビックの好きなところは?
捺珠さん)楽しく踊れるところです。
Q.大会に向けて意気込みをお願いします!
結捺さん)練習の成果を出し切って全力で頑張ってきたいです。
捺珠さん)練習してきたことを発揮できるように笑顔で頑張ってきたいです。
大会本番!塩入コーチがレポート
静岡県袋井市の総合体育館で1月28日、29日にそれぞれ開かれた2つの大会。競技会に同行した塩入コーチに会場の様子をレポートしていただきました。
1/28「第13回全国ユースフライト・エアロビック選手権大会」
塩入コーチコメント
「全国大会という緊張する大舞台で、40分間の長い間、集中して動くことができる、魅せる事ができる選手になれる様に頑張ってほしいと思います。」
1/29「第18回JOCジュニアオリンピックカップ 全国エアロビック選手権大会㏌袋井2023」
塩入コーチコメント
「何年も技を磨き努力した結果をおよそ2分間に全て出し切る個人の演技の完成度は高かったと感じます。トリオ演技は嬉しさも悔しさも共有し、切磋琢磨した経験はこれからの糧になると思います。」
コロナ禍のため、ここ数年は全国規模の大会ではビデオで審査が行われるなど、大舞台での演技がなかなか叶わなかったエアロビック競技。久々の対面審査に、どの選手も意気込んで参加しているようでした。市内から出場した7名も、堂々とした演技を披露。貴重な経験になったようです。みなさん、お疲れ様でした!これからも頑張ってください!
教室紹介
エリエールスポーツクラブ ジュニア・エアロビック
[教室]
キッズクラス(幼児~小学低学年程度)
木曜日 16:30~17:20
ジュニアスポーツエアロビッククラス(小学生以上)
木曜日 17:30~19:00
土曜日 9:00~10:30
[住所]
四国中央市村松町722-1
[お申込み・お問合せ]
エリエールスポーツクラブ
TEL 0896-24-3688
公式HP https://www.elleair-life.co.jp/
オンエア情報
コスモスタイムニュース
「市内から7名がエアロビックの全国大会に出場!」もぜひチェックしてみてください!
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また、練習の様子をさらに詳しくお届けする「Eventぽけっと」が2/23(木)14時~から放送開始します!ぜひご覧ください。
筆:四国中央テレビ 岡部桃子
「サトウキビ」といえば、有名なのが沖縄県。地元の方言で「ウージ」と呼ばれ、沖縄県内で多く栽培されています。そのしぼり汁を加工してできる「黒糖」は、上白糖に比べ、ビタミンやミネラルを豊富に含んでおり、コクのある風味が人気です。
そんなサトウキビ、実は四国中央市の土居地域にも栽培・加工の文化があることをご存知ですか?なんとその歴史は明治時代から続いているのだとか。
サトウキビ収穫のピークを迎え、昔ながらの黒糖づくりで伝統を守り続ける「ロハス企業組合」にお邪魔してきました。
目次
土居地域とサトウキビ
砂糖の原料となるサトウキビ。イネ科サトウキビ属の植物で、外国ではブラジル・インド・タイなどで栽培されています。温暖な気候を好み、台風や強風などにも強いことから、日本では沖縄県と鹿児島県を中心に栽培されています。
日本三大局地風のひとつ「やまじ風」が吹く土居地域でも、強風に強い特徴を生かしてサトウキビ栽培がおこなわれてきました。産業としてではなく、各家庭で食べる農作物の一つとして育てられていたそうで、昭和初期ごろまでは製糖場も存在し、地域で持ち寄って黒糖を作っていたといいます。
そうした文化を後世に伝えようと活動しているのが「ロハス企業組合」です。2010年にボランティア団体として活動をスタート。2012年には土居町上野に製糖工場が完成しました。耕作放棄地を利用しサトウキビを栽培、加工して産直市などで販売しているほか、地域で収穫されたサトウキビの加工も担っています。
大広さん:市内には10件ほどがサトウキビを生産しており、新居浜や西条などと合わせて15件ほどの収穫分を加工しています。
サトウキビは春先に植え付けを行い、気温の下がる11月頃から2月頃にかけて完熟し、収穫の時を迎えます。強風にも耐え、たくましく育ったサトウキビが今、シーズンを迎えています。
収穫したて「生サトウキビ」を越智カメラマンがかじってみた!
大広さんに案内されたのは土居町畑野のサトウキビ畑。大人の背丈以上に成長したサトウキビを、専用の鎌で手際よく刈り取ります。今年も台風・やまじ風の雨風に襲われた土居地域でしたが、例年通りに収穫が進んでいるそうです。
岡部:11号線から見えるところにサトウキビ畑があるなんて知らなかったです。
大広さん:ちょっと食べてみますか?
せっかくなので、採れたての生サトウキビをいただくことに。同行していた越智カメラマンが味をリポートします。
越智カメラマン:ほんのり甘くておいしいです。かじると甘みのある汁が口の中に広がります。
大広さん:昔の子どもたちはおやつにかじったりしよったみたいですよ。
見た目からは「甘みのある植物」というイメージは湧きにくいですが、実はサトウキビは、加工する前も糖度が18度~20度ほどあります。
一般的なイチゴ(8度~15度)やメロン(13度~18度)、柿(15度~18度)、パイナップル(14度~15度)よりも高いと聞くと、ちょっとかじってみたくなりませんか?
200kgのサトウキビをじっくり煮詰めて…○○kgの黒糖へ 製造過程を見てみよう
今年は11月5日から始まったサトウキビの加工作業。この日、製糖工場では朝7時半から黒糖づくりが行われていました。工程は大きく分けて「圧搾」・「煮詰め」・「結晶化」があり、煮詰める時間が長いため、早朝から作業をしても夕方までかかるといいます。
① サトウキビの圧搾
専用の機械に1本ずつ取り込み、サトウキビから蜜をしぼります。1本から採れるしぼり汁は本体の重さの半分ほど。200kgのサトウキビを圧搾すると、100kgほどのしぼり汁が採れるそうです。
② しぼり汁を煮詰める
しぼり汁を大釜に注ぎ、まずは2時間ほど煮詰めていきます。大量のアクが出るため、ここでしっかりと手作業で取っていくことで、純度の高い黒糖へと仕上がっていきます。
ここで、1時間半ほど煮込んだ状態のものを試飲させていただくことに。今度は岡部もいただきました。
岡部:竹のような匂いがします。香りからは甘さは意外と感じませんね。
(一口飲んで)甘っ!おいしい!こんなに甘い飲み物初めて飲んだかも…!
越智:クセがありますけど美味しいですね。
山内さん:私たちも作業をしながらよく飲むんですよ。
アクを取りながら煮詰め続けること2時間。ここで、食用石灰をいれて中和させ、不純物を沈殿させます。
この時点で、煮詰まったしぼり汁は90kgほどに減少。ここから別の釜に移し、さらに4時間煮詰めていきます。
③ 結晶化
煮詰め続けること約6時間。完成した液を冷やして固め、乾燥させて出来上がるのが黒糖です。
元々200kgあったサトウキビは、圧搾し、じっくりと煮詰めることで、約1/10の量の20kgの黒糖へと変化しました。
大広さん:ひたすら煮詰めるだけ。いたってシンプルな工程ですが、昔ながらのこの作り方を大事にしています。
雑味の無い純黒糖「媛三宝」 産直市で購入できます
ロハス企業組合では、この黒糖を「媛三宝(ひめさんぽう)」として市内の産直市などで販売。丁寧なアク取りによる雑味の無い味わいが特徴です。
また他にも、黒糖が固まる寸前の液体黒砂糖「とうみつ」や、黒糖に水分を加えて出来る「黒みつ」とパウダー状の「和二盆」も商品として販売しています。
土居地域に伝わる伝統の味。体にやさしい甘みを、ぜひご自宅でも味わってみてください。
Information
ロハス企業組合HPでは黒糖を使ったレシピも紹介されています(通販あり)
https://www.lohas-shikoku.com/
また、越智カメラマンが制作したコスモスタイムニュース「サトウキビの収穫シーズン迎える」もぜひチェックしてみてください!
※後日「Eventぽけっと」としても放送予定です。
12月17日放送「サトウキビの収穫シーズン迎える」
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筆:四国中央テレビ 岡部桃子